【ヘルパー1級の転職】介護業界の現実なんてこんなものかと思っていた。転職したら世界が一気に広がった話。

【ヘルパー1級の転職体験談】介護業界の現実なんてこんなものかと思っていた。転職したら世界が一気に広がった話。

【性別】男性
【職業・資格】
実務者研修(旧ヘルパー1級)
【働き始めの年齢】
28歳
【転職時の年齢】
30歳
【転職して何年経ったか】
1年弱
【その後】
今もその転職先で働いている


【男性・実務者研修】
30歳のときに、
特別養護老人ホームから、
特別養護老人ホーム
に転職。




【転職前の職場形態】
特別養護老人ホーム
【転職前の職場環境】
食事・入浴・排せつ介助をひたすら時間で回してく業務内容で、レクをやったりコミュニケーションをとる余裕のない現場でした。
介護士は10数名シフト表にはいますが、パートさんが非常に多く働く時間や日数にかなりの制限があり、正職員が残業や早出をしてシフトに生じる穴を埋め続けている状況でした。
ともかく自分勝手な女性職員が多く、よくある話ですがA職員とB職員の介助内容が違い、お互いにお互いを貶し合うようなことが日常茶飯事。
常に誰かの愚痴話が飛び交い、利用者のいるフロアでも大声で盛り上がってしまっているなど、モラルに欠ける現場でした。
従来型施設だったため担当していたのは30名ほど。
半分以上が要介護5の為ほとんど意思疎通はできなかったものの、
表情を作ることはできる人が数名いたため、上記のような職員のいる空間や介助を受けているときは顔が死んでいたのをよく覚えています。
給料は基本給+職能給で18万と非常に安く、何よりも基本給10万職能給8万という謎の割り振りに、悪意を感じました。
休みは月9日と設定されてますが、休日だろうと委員会があれば出勤になりまともに休める日は少ないです。




【転職の理由】
・人間関係の良い職場に移りたかった。
・最低限のモラルはある職場にいたい。
・給与の良い環境が欲しい。
・休みをしっかりとらせてほしい。

【ためらった理由】
・自分が抜けるとシフトが回らなくなるのは目に見えてた。
・利用者を気遣う職員が減ると、残された利用者がどんな目に会い続けるのかを想像すると苦しくなった。
・自分の愚痴の対象にされるのではと恐れてしまった。

【転職の決め手】
どうしても利用者の前で平気で愚痴話等で盛り上がる職員が気に入らなかったので、「そういうのやめませんか」と言った時に、「どうせ聞こえてないから」と一蹴された瞬間でした。
あ、この人たちの価値観は全然自分と合ってなくて、なんなら逆を行くような考えで、こんな人たちと一緒に仕事をするのは無理だと激しく抵抗を覚えてしまいました。
この日以降から職員から声をかけられる回数が激減し、自分が孤立をしていくのがよくわかりました。
上司からも「最近何かあった?」と聞かれ正直にあったことを話すも、「難しい問題だよねー」で流されて終わってしまいました。
結局誰一人と利用者と向き合って、少しでも良い環境を提供しようという気概の人はいないんだなと感じたとき、未練は無くなりました。




【相談した人】
すでに施設から転職をしていた先輩職員に連絡をとり相談しました。
転職活動の方法や、今先輩が勤めている施設について。
やめるとき揉めたことはなかったかなどを相談ました。
先輩は快く相談に乗ってくれて、転職をポジティブに捉えろと言ってくれました。




【転職サイトを使ったか】
転職サイトを一社使った

【何社使ったか】
転職サイトは使いませんでした。
自力で施設に問い合わせたり、転職経験のある先輩と連絡を取り合ってました。

【転職サイトのイマイチなところ】
介護施設はともかく数があるため、何を基準に施設の良し悪しを判断したらいいのかが分かりづらく、またホームページ記載の情報だけでは判断がつかないことも多かったため、一人で動くことの情報量の限界を感じはしました。
特に私が知りたい人間関係であったり実際のシフト回しがどうなっているのかなどは問い合わせてもはぐらかされてしまうことがどうしても多く、難儀しました。

【転職サイトを使って良かったこと】
前述した元先輩職員です。
先輩は転職時に様々な施設を見学・面接に行かれたとのことで、近隣地域の施設の情報は概ね持っていました。
あくまで先輩が感じた感想の情報が中心にはなるものの、私が何を重視したいのかに照らして「この施設は君の考えのこういうところとは合っていたかもね」という話をしてくれたので、非常に頼もしかったです。




【転職先を決めた理由】
・自宅からそこまで遠くない(車で30分以内)。
・残業がほとんどない(月5時間前後)。
・休みの日は委員会の出席などない。
・見学時の現場の空気が良かった。




【退職する時の心境】
大変スッキリしました。
嫌いな人はもう視界に入れたくなかったのでよく見てませんが、少数の仲良い職員は快く送り出してくれました。
利用者に退職する旨伝えると中には涙を流される方もいらっしゃり、後ろ髪を引かれる思いはありました。
それでも話すことができる利用者からは、「まだまだ若いんだから、いろんなことを経験しておいで」と言ってもらい、思わず涙してしまいました。




【転職後の職場形態】
特別養護老人ホーム

【転職後の職場環境】
ユニット型になるため、これまでの業務内容に調理業務が加わりました。
職員数はユニットに8名。
皆地元のつながりが深いようでプライベートトークが多いものの、非常に明るい空気でした。
利用者もローカルなつながりが深いのか、ともかくよく喋る方が多く、笑顔の多い職場でした。
給与は22万+諸手当がつき、休みは月10日です。




【転職後のイマイチなところ】
ローカルトークが非常に多いため話題についていけない瞬間は結構多いです。
そういったとき若干疎外感は多少感じます。
若干職員の距離が近くプライベートを根掘り葉掘り聞きたがる職員がいるため、少しプライベートには踏み込み過ぎないで欲しいかなと感じてしまうことはあります。

【転職後の良いところ】
利用者に良い生活を提供するが、自分たちも無理は決してしない、という考えが根底にあり、ケアの質は無理なく高いものが設定されています。
基本的に職員の人柄が良いので、誰かの仕事を手伝うという概念が全員にあるからなのか、チームで動いているという感覚が非常に強いです。




【生活と心境の変化】
残業時間が減ることでプライベートに費やせる時間が増え、新たな趣味を始めることができました。
また、違う施設を知ると違う介護の仕方を知ることができ、改めてこの仕事の奥深さを知ることができました。
そのおかげか介護職に努める方との接触をネット上ではありますが頻繁にしており、自施設の介助方法などの情報交換を行っています。




【ズバリ!】
転職して良かったと思う。



【転職前の自分へアドバイス】
転職が頭をよぎったら、何を理由にそこから離れたいかと、何が理由でそこから離れ難いのかを分けて考えること。
その上で、離れがたい理由は自分にとって身体と心をすり減らしてでも守りたいものなのかを考える。
そうでもないと感じたならば、すぐにでも新しい環境を目指そう。
思っているより世界は広いから、いろいろなことを知ると自分の世界観も広がる。